サ責とは、サービス提供責任者の略称で、訪問介護サービスにおける役職名である。
訪問介護には、現場で介助を行う職員と管理者が必要だが、サ責はこれらの職務のいずれかと兼任することもできる。ただし、三者全てを兼任することは認められていない。
サ責の仕事は、介護サービス利用者のアセスメントをはじめ、訪問介護計画書やサービス提供手順書の作成からモニタリングまで多岐にわたる。こうした業務には、介護の専門家としての知識やスキルが欠かせない。
そこで、サ責になるには、一定の資格が求められている。既に廃止された資格とはいえ、介護職員基礎研修やホームヘルパー1級といった資格があればサ責になれる。また、こうした資格の後身と言える介護福祉士や介護福祉士実務者研修の資格も、サ責になる要件とされている。
介護福祉士の資格は、介護福祉士実務者研修の資格を得てから一定の実務経験を経た上で、国家試験に合格するルートが一般的だと言えよう。このほかに、福祉系高校や介護福祉士養成施設を卒業することにより、実務経験が無くても国家試験を受験できるルートもある。
介護福祉士実務者研修の資格は、国家資格ではないので、民間の研修を受講すれば取得が可能である。研修には介護の実習も含まれ、受講生は現場に必要な介護のスキルを身につけられるのだ。
介護福祉士実務者研修に似た介護の資格として介護職員初任者研修という民間資格もあるが、初任者研修の資格を持っていても、サ責になることはできない。